どうもこんにちは、院長です。
空気が乾燥しつつあるこの季節、みなさまは目が乾くといった症状でお困りではないでしょうか。
この時期に患者さんの中で特に多い訴えの一つが「目が乾く」、いわゆるドライアイの症状です。
目は人間の体の中でもちょっと珍しい、体外に露出している内臓器官なのですが、臓器であるが故に乾燥には非常に弱い。
涙は目を乾燥から守る作用があるのですが、その涙の量が減ってしまう、あるいは涙が目の表面に乗らず、はけてしまうというのがドライアイという病気です。
またこのドライアイ、実は初期の段階では目の乾燥だけでなく、流涙（涙が止まらなくて困る）で病院にくるという方も多いんです。
涙がすぐにはけてしまうため、体はそれを補おうとしてジャブジャブ涙を流してくれるんですね。
結果として目は乾燥から守られるのですが、その代わりに溢れかえった涙のせいで常時涙目になってしまうんです。
乾燥するよりはマシとはいえ、ありがた迷惑とはこのことです。

ドライアイは冬場の乾燥時期に増える傾向がありますが、その他に夏場、エアコンの除湿の影響でも増悪します。
またコンタクトレンズの使用や、長時間のテレビ、パソコン、スマートフォンを注視することでも増悪します。
このIT全盛時代、仕事上パソコンの画面に張り付かざるを得ないという方も大勢いらっしゃいますし、各企業のテレワーク導入によりその傾向は特に強くなってきた様子です。

一般的なドライアイは眼科の中では失明などのリスクの低い、あまり怯える必要のない病気であります。
しかし、生活の質、いわゆるクオリティオブライフ(QoL)を下げるという意味では少々厄介な病気です。
「目が見えなくなることはまずありませんので安心してください」と言われても、いつも目がゴロゴロする、違和感があるといった事をただ我慢しろというのは少々酷な話でしょう。
患者さんの中には「その程度、大したことない」と我慢されてしまう方もいらっしゃいますが、不快感の一つ一つはごく小さなものでも、それが毎日となると生活の質の低下は著しくなります。
当院に通院されている患者様の中には、点眼薬を用いることで大分楽になったと言われる方が何人もおられます。
また点眼薬を用いずとも、ほんのちょっと生活習慣を変えるだけで、不快感を和らげることもできます。
みなさま、あまりお一人で悩まれず、気になる時はぜひ近くの眼科へご相談ください。